霜柱

 気温がぐんぐん下がって、物の表面の温度が氷点下になると、表面に触れている空気の中の水蒸気が凍り付き細い氷の結晶となります。
 
氷の結晶は伸びて、物の表面はまるで薄い織物をまとったようになります。
 
これを霜とよんでいます。

 庭木に降りた霜、手すりに降りた霜。

 物の表面でできるものなのになぜか「降りる」といいます。


 ある朝、寒いと思ったら一面の霜。そのしんとした冷気は、天から「降りる」何かを思わせるのでしょうか。

 霜(しも)が降り始めると、畑の様子ががらりと変わります。
 
それまでは青みのあった作物も強い霜が2,3回降りると茶色になります。

 一方、霜柱(しもばしら)は、地中の水分が凍って、まだ凍っていない地中の水分が毛細管現象によってしみ出し、それがまた凍って、を繰り返して柱状に凍結したものです。ですから、土が持ち上がりにくい重い、固まった土では霜柱はできにくく、さくさくした畑の土などで見られます。

  私が子どもの頃、登校の道すがら、ざくざくを霜柱を踏んでいるといつの間にか寒さを忘れたものです。霜柱は朝日があたるととてもきれいに輝きました。

そういえば、昔たくさんの子どもたちを悩ませたしもやけは、何処に行ったのでしょう?

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