6 大家族の我が家  いちょうの樹(高知県)

高知市から高知道を経由して3時間。 標高400m。四国カルストの麓の檮原町「いちょうの樹」があります。

町を抜けて5分もしないうちに、「いちょうの樹」の看板を見つけました。 町中からそう遠くない、しかも2車線の道沿いにありながら、いったん「いちょうの樹」の庭に入ると、すっかり山村の景色です。

 荷物を下ろしたら、ふらりと散歩に出てみました。

  部屋の正面に広がる急傾斜、としか見えない山は、春には和毛に包まれたおおきなゼンマイでいっぱいになる「ゼンマイ畑」です。春に来ることができれば、ゼンマイ畑のあちこちでワラビやウドも採ることができます。

 「いちょうの樹」の夕食は、自家栽培の「小ナス」「シイタケ」「ぜんまい」の新鮮さ、その食材に精通したおかあさんならではの調理の腕を活かしたものです。 「小ナスのタタキ」、「シイタケのマヨネーズーズ焼き」「ぜんまいの煮物」に「アメゴの塩焼き」はリピーターにとっては「これこそが『いちょうの樹』」と思える定番メニューで、それに季節折々の工夫を凝らしたサブメニューが付きます。たとえば初夏のサブメニューは「ミョウガの新芽の炭火焼」。冬場は「生シイタケのお刺身」を生醤油で。サブメニューは季節ものだけではありません、おじいちゃんの指導で釣り上げた「川魚のてんぷら」、自分でもいだトマト、ゼンマイ畑で採ったウドやワラビなどなど、思い出や感動につながるものはまたひと味違うごちそうです。

「いちょうの樹」の魅力はなんといっても「農山村のくらしありのまま」と「家族ぐるみのあたたかいもてなし」です。

 「いちょうの樹」の玄関を入った瞬間から、そのまま知子さんちのくらしに溶け込み、「田舎時間」に乗りましょう。

宿泊客の5歳の坊やが上田さんに「おじいちゃんを連れて帰りたい」とお願いし、かなえられなくて大泣きしたエピソードは、「いちょうの樹」が決して「よそいきの顔」をしていないことの確かな証拠ですね。

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